SIAb.

近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

about

概要

SIAb.(シアブ/ Survivors of Incestuous Abuse)は、2013年4月に発足し、近親姦虐待の被害当事者(以下、当事者)が主体となり、この問題に特化したセルフヘルプ・グループ活動を行っています。

主軸となる活動のセルフヘルプ・グループでは、同じ問題を抱えた当事者同士が語り合うピアミーティングと、学びや創造的な作業、またはエクササイズなどを行うワークショップを開催しています。

もうひとつの活動であるSIAb.プロジェクトでは、セルフヘルプ・グループに参加している有志の当事者たちが、語り合う映像や自らの体験談など、回復に取り組むために参考となり得る多様な情報を配信しています。
さらに、それを当事者はもとより支援者、治療者、援助職、加害者や当事者家族をも含めた社会全体に向けて、周知活動も行っています。

より詳しくは「SIAb.の文献」をご覧ください。

SIAb.は、どのような宗教、宗派、政党、組織、団体にも縛られていません。
また、セルフヘルプ・グループの開催中に、参加者を他の団体やその活動に勧誘することもお断りしています。

SIAb.では「児童期性的虐待の基準」の重度ⅠおよびⅡの基準内容を「近親姦虐待」と定義しています。「ご自分の被害がどうであるのか」、「SIAb.の各グループに参加してよいのか」は、ご本人の判断に委ねます。

目的

  • セルフヘルプ・グループは、当事者が、健康的な社会生活を取り戻し、維持していくことを目的に、ピアミーティングとワークショップでグループ活動を行っています。
  • ピアミーティングでは、近親姦虐待の被害からの回復に取り組むために、当事者が自発的につながり、各自が自らの問題に対して主体的に向き合い、それを語り、傾聴し、学び合い、これからの自分の生き方を見極める力をつけることを目的としています。
  • ワークショップでは、学びや創造的な作業に集中して達成感を味わうことや、エクササイズの効果を体感しながら、参加した当事者たちと安全な時間と場を共有し、少しずつ「被害や自分に向き合う時間と、そうでない日常の時間」とのバランス感覚を養うことを目的にしています。
  • SIAb.プロジェクトは、有志の当事者たちが、近親姦虐待の問題や、回復に取り組むための情報を発信することで、当事者の孤立を減らすことを目的に活動しています。
    さらに、その理解を関係諸機関や社会全体に広げ、問題の予防方法や治療方法が、より深く検討されていくような社会をつくるための一助となることも目的としています。

背景

近親姦虐待の加害・被害は、長期間にわたって繰り返されることがめずらしくありません。
しかし、多くの当事者はその間、被害を誰にも話すことができずにいます。
信じてもらえないかもしれない、叱られるのではないか、家族が崩壊し、コミュニティーから排除されるかもしれない…そんな不安や恐怖が大きいあまり、口を閉ざしてしまいます。
体験があまりに重く抱えきれないと、当事者はそれを無意識に記憶から消してしまうことさえあります。

本来、自分を保護してくれるはずの近親者から受ける性被害は、当事者を非常に混乱させ、孤立させます。
生き延びるために被害体験を「なかったこと」にしても、それは心や身体のどこかに記録されていて、やがて心的外傷(トラウマ)となって当事者を悩ませます。
それが対人関係の困難や心身の症状となり、さまざまなかたちでその後の人生に影響を及ぼし、安定した社会的生活が困難になったとしても、当事者が周囲の理解を得ることは簡単なことではありません。

近親姦虐待の被害当事者は、加害者が近親者であるために起こり得るこの問題特有の苦悩や葛藤を、誰にも相談できずに孤立してしまいがちです。
その苦しさから逃避するために、自傷行為や嗜好品依存などの依存行動を続けてしまい、それを止められない自分を責めるという悪循環に陥ってしまうケースも見受けられます。

さらに、こうした問題に取り組む専門的な支援体制や治療体制が確立されとは言えず、体験を話せる場や仲間につながる機会も極めて少ないのが現状です。
性暴力問題を扱う相談機関や支援団体も増えつつありますが、近親姦虐待の問題に特化したものはごくわずかです。
そこで、私たち当事者が主体となり、SIAb.を発足する運びとなりました。

連絡先

イベントやこの活動へのお問い合わせ等ございましたら、お問い合わせフォーム または メールアドレスinfo@siab.jpからお問い合わせ下さい。

*このアドレスからのカウンセリングや相談は受け付けておりません。

SIAb.について

寄付および献金

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