“私のことを全て理解して、感じ取って、同じように苦しんで、慰めてくれて、包んでくれると思っていた母”は、私の幻想だった。
目の前にいる母は、自分の過去の思いに縛られて、それを打ち砕こうと、ひたすら強く生きようとする孤独な女の人だった。
ヨタヨタと頼りない母。
主治医を褒め称える母。
「泣けた…」と、話す母。
芝居を見ているよう。
母が情報を仕入れて、私を取り込もうとしているイメージ。
妖怪・二枚舌。
やたらと優しそうで、心の中は凄く怒りに満ちている。
顔が見れない。冷たい顔。
でも、時々、捨てられなくなりそうなほど、弱々しくて、寂しそうで、かわいそうで置いていけない。
でも、どうしても父を後ろに隠して守っている感じ…なんでだろう??
父なのか? あの家なのか??