SIAb.

近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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明日の自助Gミーティング&フェロシップのお知らせと『トラウマからの解放』を見て感じたこと

まず、明日のSIAb.ミーティング(近親姦虐待被害の当事者のための自助グループ)は、通常通り開催します。詳細はこちらをご参照ください。

ところで、先日放映されたドキュメンタリ番組を見て感じたことです。

当事者に負担がない治療方法としてEMDR(イーエムディーアール、Eye Movement Desensitization and Reprocessing;眼球運動による脱感作および再処理法)が多く紹介されていました。

私は、この治療方法を受けたことがないので、それについてのコメントはできませんが、映像の中で、治療を数回に渡って受けた方が『トラウマ記憶から解放され乗り越えられた!一生引きずると思っていたのに抜けたっていう感じです。』とコメントしていてたのが印象に残り、何だかちょっと ん~・・・(-.-) と感じたことについて書かせていただきます。

私は、別の治療方法を受けてきましたが、何度も『やった!もう回復した!!』という感覚を得てきました。

クリニックに通院しはじめて2年目くらいまでは、その度に「みなさん、私はもう回復しました。なのでクリニックとは今週でお別れだと思います。お世話になりましm(__)m」などと、胸を張ってシェアしていました。

その後、しばらくは『なんて素晴らしい世界なんだ♥』と思いながら過ごす日々が続くのですが、徐々に不安定になったり、またはある日突然に、ド~ンと気分が落ち込んで、大泣きしながらクリニックでシェアをするというのを数回繰り返してきました。

“被害体験のトラウマそのもの”と向き合い、乗り越えるまでも辛かったけれど、むしろそれを乗り越えた後の方が、長くて苦しいと実感してきました。

以前、主治医が『山を一生懸命登って、やっと頂上まで登り切った時の眺めは素晴らしいけれど、下山することを忘れちゃだめだ。下山するのは長くて辛く感じる』と話をしていたのですが、随分なだらかな下り坂になったとはいえ、時々きつい上り坂が現れる下山を、私もまだ現在進行形で味わっている最中なのです。

なので、あのドキュメントを見た人たちに、《治療=治る》、《トラウマの記憶を塗り替える=解放=回復》というイメージに偏り過ぎて伝わっていなければよいなぁ~と感じました。

当事者として、『生き抜いてこれたからこそ、抱えてしまう問題ってのも確かにあるし、それらは必要だったけれど、もう一方では受け入れられていない自分との葛藤があるのは確かだ』と感じているし、それは被害そのもののトラウマとは別物だと感じているからです。

番組の中でも、度々、『子供の頃にきちんと治療を受けないと、大人になってから大変なことになる』みたいに言っていたけれど、じゃあそれってどうして??というところを、もっと突っ込んで説明してくれないかなぁ~と思いました。

“サバイバル脳”として、『子供の頃に虐待を受けたりした子供は大人になると、トラウマや孤独から「他人は信用できないから、ほしいものを得るためには戦うしかない」と感じ、犯罪行為に走ったり、左脳の理性的な考えを処理する部分の機能、思考力低下に影響。故、トラウマ経験から来る恐怖感、イライラ、過敏、不調などが、薬物やアルコール依存、自傷、過食などを引き起こしやすい』と説明していましたけれど、その脳に対する治療方法も説明が欲しかったです。

今回は《心の傷・トラウマをどのように癒していくのか、最前線の治療現場からの報告》という特集でしたので、いつか《トラウマから解放された後の当事者たちの苦悩》というのも見てみたい・・・(._.)

あと、できれば他の選択肢(治療方法)も一緒に紹介してもらいたかったです。

だって、EMDRの治療資格者は少ないし、時間かかるから治療可能な患者数も限られてくるだろうし、もう少しメリット、デメリットも含めて伝えて欲しかったなぁと思いました。その方が、当事者たちに親切だと思いました。

みなさんはどう感じましたか???

 

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