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近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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東京新聞『子どもの虐待防止 機関連携を』を読んで(2)

4月10日のブログつづきです・・・

そのような中、参加させていただいたのが、日本子どもの虐待防止民間ネットワークが取り組んでいるRIFCR研修です。
(私は1月にCAPNA主催の名古屋での研修会に参加させていただきました。)
以降は、個人的な感想を交えて書かせていただきます。

 まず、このRIFCR研修とは?ですが…

既にご存知の方も多いと思いますが、RIFCR(詳細PDF)は、学校の教師やグループホームで働く方々や看護婦さんなど、児童虐待通告義務者が、性虐待の疑われる子どもに対してどのように面接し、何を聞くべきで、何を聞くべきでないかということを半構造化した虐待発見時の面接プロトコルで、あくまでも児童相談所や司法面接などに繋げるための聴き取り―なのだそうです。

子どもが性虐待の被害に遭った場合、児童相談所に通告後、司法面接に繋がるのですが、被害の内容などを話すということは、その子の心身に相当な負担が掛かるので、それを軽減するために開発されたRATAC(詳細PDF)という司法面接のプロトコルの研修会等も、現在、主に専門分野の方々対象に各地で行われているそうです。

そして同時に、各地域に、子どもの安全と福祉に関わる“多職種専門家からなる多機関連携チーム”(MDT:Multidisplinary Team)を結成し、その育成と定着を目指す取り組みがなされようとしているとのことでした。 (下線部:4月15日訂正)

  MDTとは、例えば児童虐待の場合、児童相談所をはじめ、警察、検察、司法面接者、医師といった方々が、司法面接と系統的全身診察を実施することで、子どもの負担を最小限にする為の連携チームなのだそうです。(参考資料 PDF)

さて、この研修会は、まず自分の役割をしっかりと認識し、子ども虐待とはどんなものなのか?子どもはその時どんなことを感じているのだろうか?子どもの性的な発達の理解や、現在の児童保護法や行政の体制どうなっているのかなどを、しっかりと勉強させていただき、最後に、RIFCRについて学び、実際にロールプレイをします。

実際にロールプレイをやってみて、≪子どもからの聴き取りなんて…≫と思っていたら、かなり難しかったです。

 例えば私の場合、
・ついつい、子どものことよりも自分の欲の為に聞き過ぎてしまう。
・良かれと思ってやろうとしたことが、実は傷つけてしまう。
・自分が嫌われることを避けるために、きちんと伝えなければいけないことをしなかった。その結果、子どもを裏切る行為になってしまい、傷つけることになった。という反省点がありました。

研修会の間、ひとつのプログラムが終わると、質疑応答の時間が設けられていて、実際に現場で起こっている問題などについて参加者たちが活発に発言していて、私が子どもの頃、無かったことにされていた、だれも語ろうとしなかった性虐待について、こんなにも議論が交わされていることを目の当たりにして、もの凄くうれしかったです。

また、今までに参加した、こういった支援側主催で行われていた色々なセミナーや研修会で感じていた違和感もありませんでした。

 それは、『Your Piece of the Puzzle : Responding to Child Abuse ~子どもを守る1ピースとして 子ども虐待に対応する~』という言葉が根底に流れていたからだと思います。

当事者である自分たちも、社会の1ピース。
だからこそできること―経験してきたそのまま、当時感じていたこと、今振返って感じていること、いろいろなことを感じ、傷つき、悩み、苦しみながらも、それでも生き抜いて、笑う時もあれば泣くときもある、怒る時もあれば優しくなれる時もある―このことを、誠実に伝えていきたいなと思いました。

また、子どもへの対応が整備されつつあるからこそ、成人期に向かって起こり得る、当事者がかかえる様々な葛藤や心的な問題、また、現在すでに成人になっている当事者の方々の抱えている様々な問題に対してのアプローチについても、もっと盛んに議論していただきたいとも思いました。

また、成人した私たちが、もっと何かできないのかなとも思いました。

長くなりましたが、読んでくださってありがとうございました。

けいこ

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