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近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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映画『リアリティのダンス』を観て

映画の話しばかりが続きます。
どうしてかというと、『客観的な視点から、見えてくるものがあるからなのだ』ということは、前回も書かせていただきました。
今日観た『リアリティのダンス』は、ホドロフスキー監督自身が自分の人生をベースにした物語を映画化したものです。
そして、『映画をつくることによって、自分を含め両親それぞれを再構築して、家族を再生するということを行った』と監督ご自身も言っている通り、これは回復の為のメソッドのひとつだと思えたからです。

私も、2007年でクリニックに繋がり外傷体験を語り始めてから、重要な局面を迎えるたびに、象徴的な夢をみることで、自分自身や原家族の人々や夫、また、治療者である主治医や仲間を再構築していきました。

この映画は、私がいままでやってきた『家族面談』を含め、ミーティングで語ることによって、自分自身と対峙したり、原家族の夫々と直接的に向き合ったり、それをすることによって苦しみ、悩み、気付きをえてきたこと、そして『夢』というツールを使って、深層心理の自分とも向かい合ってきたという、それらすべてをそのまま映画化してもらったことで、客観的に見つめることができた、素晴らしい作品でした。

大人になった自分が感じていることと、子どもの頃の―当時の自分自身の感じたこと、求めていたものと向き合うことは、かなりのズレがあって、戸惑い、受け入れずらいこともあると思うのだけれど、夢の中のように、法律や世間体、自分自身での境界線をとっぱらって、自由に、心を開放することによってのみ、私たちは自分を過去から解放できる。
そして、それこそが人間的に人生を楽しむことができる・・・。
それを 映画として、表現しきってくれた―そう感じた作品でした。

 『私の男』で、近親姦虐待当事者ということを真っ向から見つめ直すことができ、そして『リアリティのダンス』で、それをのり越える術を教えられたような感じです。

 機会があったら、ぜひ見ていただきたい2作品でした。

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