(8月24日に記入)
朝食を同室の方と並んで食べていたら、隣に主治医が座ってきた。
朝は苦手かな?静かな方がいいのかなぁ~?と思って、訊きつつ、大丈夫そうだったので世間話をしながら食事していたら、主治医がフィリピン妻たちの芋の炊き出し会の話しをし始めた。
その流れで、(私の)高校の時の思い出話しをした。
フィリピン女性のお客さんに向かって、バイト先の隣にあったセブンイレブンの店員さんが、写真の現像について「光沢ですか?絹目ですか?」と英語で訊いているつもりで、「ツルツ~ル?ザラザ~ラ?」って、思いっきり日本語で訊いていた話しをしたら、みんなで大ウケしていた。
主治医が笑ってくれていると安心する。
父親のことも、こうやって笑わせていたっけ…と思いながら、少し涙が出た。
帰りのバスでは、初めて話すクリニックの年下の仲間と、ずっと話していた。
「本当に強い男性とは」という話になって、夫のことを思い出しながら自分の意見を話した。
説教じみた事じゃなくて、ただ自分の思っていることを正直に伝えるだけでいいんだって思えた。
中野坂上に差し掛かった時、ホッとした。
帰ってきた感覚。
「田舎に帰ったりした方がいいか?」と尋ねた私に、主治医が言った「それほど土地に愛着があればだけどね。」という言葉を思い出した。
私は、もう東京がふるさとになっているのかも。