SIAb.

近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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ドキュメンタリー番組のお知らせ

2025年1月5日(日)24時55分から、日テレ系 NNNドキュメント「言えない心のうちがわを~家庭内の性虐待・子どもたちの葛藤~」が放映されます。
こちらに、SIAb.のプロジェクト・メンバー5人とそのお母さまが、強い思いから取材に協力して出演しています。

放送されるまで、内容は知らされておりません。
これまでの「被害者像」が、覆されるようなことが含まれているかもしれません。
同じ「性暴力の被害」の当事者であっても、否定したくなるような発言もあるかもしれません。

ですが、それぞれの「私の語り」ですので、どうか否定せずにそのまま受けとって、その違和感をご自身が認めてください。
そこからしか、「変えていく力」は生まれないからです。

そして、これは本当にごく一部の「近親姦虐待の被害当事者の語り」だということを、忘れないでください。

世の中には、多くの「近親姦虐待の被害当事者」がいて、それぞれの被害内容や時期や期間、家族環境やコミュニティの違いが、その人格形成に大きな影響を与えています。

また、被害後の生育歴や環境、そして、現在の家族構成や生活環境、経済状態、さらに支援や医療などへのかかわり方によっても、後遺症や健康状態などに違いが出ます。

それは、加害者にも言えることで、それぞれに違いがあります。

どうか、ひとくくりにせずに、決めつけずに、それぞれ「別個」のものとして受け取ってください。

そして、善意で隠ぺいすることなく、一緒に考えてみてください。

どうしたら、「近親姦虐待の被害当事者」が孤立しないようにできるのか。
どうしたら、支援や医療に早く繋がれるようになるのか。
どうしたら、被害が繰り返し行われないようになるのか。

SIAb.には当事者だけでなく、被害当事者のご家族やご友人からも、相談のメールが増えてきています。
それらを読むと、この問題が周辺の人たちにも、深く傷跡を残しているのだと改めて感じます。

きっと、このドキュメンタリーは、そのような人たちにも、気づきや励みを与えてくれることと確信しています。

インパクトが大きい分、放送後はさまざまな反応があることが予想され、心ない言葉も聞こえてくるかもしれません。

ですが、SIAb.はこれからも、当事者や、当事者の周りで困っている人、支援や医療に携わる人たち、そして少しでも関心を寄せてくださった人たちに向けて活動を続けていきます。

SIAb.は、2013年に自助グループを立ち上げました。

クリニックや自助グループで、一緒に悩んで、泣いたり笑ったりした仲間たち…
お互いがお互いの「トラウマとの闘いの証言者」になり、力を与え合ってきました。

当時は、やっと「性暴力の被害当事者」が声を上げ始めたばかりで、家族の中に被害者も加害者もいる「近親姦虐待」の場合は、本当に声を上げるのが困難でした。

でも、当事者たちが語らなければ、「私たちの本当」を社会が知りようがない…
知りようがないから、世の中も変わらないのだと気づきました。

語ることができる者たちが語り、道を開いて変えていきたい—— その思いで、有志の参加メンバーでSIAb.プロジェクトを始め、動画をつくってきました。

あたたかい眼差しが育めるよう、そしてきれいな波紋が世の中に広がっていけばいいな…と祈りながら、これからも語り続けていきます。

comment(6)

Comment

  1. K より:

    はじめまして‌
    実況民のみんなと見ましたが、意外にも怒りとともにあたたかいコメントが多かったように思います。‌

    そこに‌

    まず見終わってわっかんねーよ‌
    男に話せるってのが‌
    女にも話せねーぜ‌
    話せるものなんかな‌
    私はレイプされなかったのを感謝してるレベル‌

    と書き込んだのが私、当事者としての感情をぶつけてしまいました。‌

    正直言いますと、勇気を出して見た直後から、頭がおかしくなってしまいました。どうしようかと思っています。

  2. とも より:

    NNNドキュメント拝見しました。番組に登場した方々と自分とでは症状も境遇も異なりますが、共感できる部分も多くありました。‌
    よく性犯罪は「魂の殺人」と表現されることがありますが、家庭内性虐待の苦しみは「がん細胞」のようだと感じています。自覚症状が無いまま心と体を蝕まれ、何かがおかしいと気づいた時にはすでに進行していて、治療によって症状が改善することはあっても、それは完治ではなく寛解。いつ再発するかわからない、そんな不安を抱えながら一生付き合っていくもののような気がしています。‌
    以上、ごく一部の被害当事者としての感想でした。

    • 事務局 より:

      コメントありがとうございました。
      「ごく一部の被害当事者の声」のひとつひとつが、きれいな波紋になって社会に広げていけるといいですね。

  3. K より:

    また投稿しますすみません‌

    私は今まで、すべて忘れてなかったことにしてきました。‌
    そうやって精神のバランスを保っていました。‌
    それがドキュメントを見てから、遠い記憶を引きずり出して検証を始めたのです。‌

    加害者A 祖父 中学校校長‌
    加害者B 叔父 市職員‌
    加害者C 知らない男‌
    加害者D 医者‌

    大学教授だった父は日常的に私を殴った‌

    「不幸な仲間」がいるのだとしたら、自分にも何かできたら…。‌

    ただし、頭がおかしくなってきました。

  4. K より:

    きのう、母に聞いてみました。‌
    祖父(母にとっての義父)の被害を受けなかったかどうか‌
    「…ないよ。ない!なんでそんなこと聞くの?」‌
    自分が何度も触られたと言いました(実際には疑似性交)。‌
    すると「子どもだからわからないと思って!なんで言わなかったの?」‌
    と怒ってくれました。‌
    一歩進めた気がします。‌
    どうもありがとうございました。

    • 事務局 より:

      コメントありがとうございました。
      拝読しました。
      焦らず急ぎすぎず少しずつですがしっかりと変化しながら前にすすんでいるんですね。

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