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近親姦虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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映画を見て私が感じた“近親姦虐待の本当の恐ろしさ”と“私の物語”

連続投稿になってしまいました。
この映画を観て、私が感じたことを書かせていただきます。

『近親姦虐待の本当の恐ろしさを描いてくれてる』と感じたのには、私と兄との過去の出来事や父や母との現在の関わりが起因です。

私の幼少期、私の原家族は、経済的にも不安定で、父の浮気や姉への性虐待など、問題を抱えていたので、不穏な空気がいつも漂っていました。
そんな中、私をいつも可愛がってくれていたのは兄でした。

兄は、父親からの精神的、肉体的虐待を受けていましたから、私を拠り所にしていたのかもしれません。
でも、兄が成長するにつれ、性的な好奇心を私に向け始めたのも事実で、その行為は徐々にエスカレートしていきます。

私自身も、始めの頃は子ども同士のじゃれ合いのような感じだったと思います。
過激になり始めるまで、後ろめたさやいけないことという意識はあったものの、隠れて兄と戯れていました。

でも、私も成長し、兄の性的虐待行為もエスカレートしていき、嫌悪感を抱くようになっていきました。
そして、同級生に恋をしたのをきっかけに、兄に「止めて」ということができました。

 その後、私は父からの性虐待がはじまりましたが、兄の時とは全然違っていて、それは私自身の中身を空っぽにするようなものでした。
本当の私の意識は、私自身の右斜め上に存在するような感じ。

それでも、運よく自分をとり戻せたのが、中学生に入ってすぐの親友になる友人との出会いです。
その頃は、そんな意識はなかったのですが、彼女がいたから私は自分をとり戻せました。

 そして、父とのことを直接的ではなくても教師に訴えることができ、それも止みました。
私は、原家族に残るものの、居心地が悪く、なるべく家に居ないようにしていました。

 兄も実家を離れていました。

 私は、今の夫と知り合い、半同棲を始めましたが、就職が都内に決まってしばらくして、正式に同棲を始めました。
でも、彼が修行で海外に行くことになり、私も追っていくつもりで仕事を止めたのですが、彼が自信がないとの理由で、暫く日本に残ることに。

経済的にも余裕がなかったので、実家に戻ることになったのです。

 経済的には安定していても、実家の生活は、無意識のうちに、私に精神的な不安定さを与えていきました。
しかも、やっと見つけた“彼”(現在の夫)という止まり木を失った私は、喪失の寂しさのあまりなのか、兄の布団にもぐりこんでいったのです。

寂しくて 独りでいたくなくて 最後には優しかった兄に救いを求めてしまったのです。

 でも、その時、結婚がほぼ決まっていた兄は「俺は、〇〇ちゃんを選んだんだ。」と苦しそうな声で言い、私を抱いてはくれませんでした。

私が布団に入っていく時の兄の顔は、あのラストシーンの淳悟の顔のような 苦悩と恐怖が入り混じった顔でした。
私は、自分自身に対する怒りと恥ずかしさと情けなさがいっぱいになりました。
そして、徐々に、自分自身が怖くなっていきました。

彼が呼び寄せるまで待つことができなくなり、その後直ぐに、私は彼を追って海外に逃げ出すように出ていきました。

あの映画を見てから、あの頃の記憶が繋がり始めています。

『近親姦虐待被害者があんな映画見るわけないだろ』と、どこかに書いていた人がいましたが、記憶がとぎれとぎれに、バラバラになっているものを、繋ぎ合わせる切っ掛けになるものを、当事者たちは無意識に探し当てているのだと思います。
空っぽにされてしまった自分の中身を、埋めていく何かを、探し求めて、苦しみながら追い求めているのだと思います。

話しを戻すと、兄は、その後、結婚までの間、他の悩みもあったのでしょうが、胃を全摘出するほどの胃潰瘍になっていきます。

昨年、父が危篤状態に陥った時、自分のエゴで父に会いに行ったのですが、その時の父が私を観た最初の顔も、恐ろしいものを見るような顔になっていました。

そして、母も私に対して、怯えを隠せない・・・

まるで私が 呑み込んでしまう怪物のようなものに感じているかのように。

 これが、あの映画を観て私自身が感じた『近親姦虐待の本当の恐ろしさ』と『残酷さ』の原因です。

 人それぞれ 異なる感じるものがあったでしょう・・・

 これは、私の物語です。

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