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近親者からの性的虐待の被害当事者たちがつながり・語り・学び合うためのセルフヘルプ・グループです。

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映画『月光』を観てきました。

映画『月光』を観てきました。

すでにSIAb.の仲間も何人か観ていて、感想はそれぞれ違っていました。

今回は、私の個人の感想として書かせていただきます。

🌙 🌕 🌙 🌕

まず、応援させていただいた一人として…とはいえ、性虐待の被害経験のある方々(以下 当事者)に、手放しで 「ぜひ見た方がいいですよ。ぜひ見てください。」 とは、私には言えないなぁ…と思いました。

逆に、支援現場や治療現場で働く方々や研究者の方々、学校関係者や警察や司法関係の方々、弁護士の方々、また、政治家の方々にはぜひ見ていただきたいと思いました。

なぜなら、この映画は、当事者によっては “瘡蓋(かさぶた)を早く剥がしすぎる” ことになる可能性があると思えたからです。

心的外傷について、“瘡蓋”に例えて「無理矢理剥がして取ろうとすると、余計に傷口が大きくなって治りづらくなりしまう。」といわれています。

“気づき”を得るために良いと思えたことでも、タイミングを間違えると傷に大きなダメージを与えかねないし、かといって、剥がさないでそっとしておいても、時にはその下で膿を持ってしまっていることもありますし…

ですので、瘡蓋の傷の様子を見るように自分の心の傷の状態をじっくりと確認して、それから判断しても良いのではないでしょうか。

そして、観ようと決めたのであれば、できれば治療者やカウンセリング、自助グループなど、安心・安全な人と場所と繋がれるよう、前もって確認しておくことをお勧めします。

もちろん、人それぞれ違うと思いますが、安全のために、あえて書かせていただきました。

それともう一つ、この映画が全てではないことを、どうか理解していただきたいです。

同じような被害を受けてきた当事者であっても、その人の受けてきた虐待や家庭環境や家族構成、地域性、最終被害から今までの過程、現在の状態などなどで、同じ映画を観ても、感じ方や意見がいろいろあると思います。

どれが正しくて、正しくないということはないし、自分が今感じていることがずっと続くわけでも、正解でもないということも、理解して欲しいです。

私たちは刻々と変化し、成長していから…

🌙 🌕 🌙 🌕

さて、私の場合、きっともう大丈夫だろうと思って、『月光』を観たのですが、かつて傷を負ったところを机の角にぶつけた時のような独特の、鈍く余韻のある痛みを何度も感じました。

鑑賞中からスクリーンの映像と、頭の中の記憶の映像がシンクロして、激しく心が揺れてました。

性虐待が日常的な会話で始まっていくところや、自分の安全を守るために無意識にユウちゃんが父親に取る行動が私にはリアル過ぎて、以前のように恥の感情と自分を責める感情が湧きあがってきて…

3人の母親たちの中に、それぞれの時代の私の母親が見えて、怒りと切なさが襲ってきて…

終盤、滝のそばでカオリがユウちゃんに掴みかかるシーンでは、罪悪感と正義感との葛藤で悶え苦しんだ記憶の数々が蘇って嗚咽して…

ユウちゃんが父親の情けない部分を見るシーンで、いくつもの情けない父の姿を思い出し、情けなくて、悔しくて、涙が流れ出して…

そして、母親に抱きしめられる傷ついたカオリを見て、羨ましく思い…

そして、終了直後の “これからが辛いんだよなぁ…”と、うな垂れて…

🌙 🌕 🌙 🌕

ユウちゃんは、これから何年か後、自分に何が起こって、どんな風に感じていたのか、そして加害者であるお父さんや自分自身を守るために去ったお母さんに対する思いと、正面から向き合う日がやってくるのだろう…

戦いはこれから…

もしかしたら20年、30年後になるのかもしれない…

スクリーンに映し出されたのは、映像化された過去の記憶…

 

🌕『月光』は、ぼんやりと、でもしっかりと闇の中の全てを浮かび上がらせました🌙

comment(2)

Comment

  1. めい より:

    先日、私も男女共生センターで見てきました。‌
    これは、センターにも感想を伝えましたが、正直に書きます。‌

    確かに、監督は性暴力被害のトラウマの描写は詳細でした。上映時に、気分を悪くし人の為にケアできる人を配置されているのは、感心しました。しかし私も、到底おすすめしません。‌

    でも、小学生の女の子が父親から性虐待を受けている原因がまるで精神疾患か何かがあるかのような表現。加害者の男性自身の問題に焦点が当てられていません。‌

    また、近親者からの性虐待の被害者である2人の女の子と女性の露出度に対してもひっかかります。‌

    最も、納得出来なかったシーンは、主人公の女性が性暴力を受けた後にもかかわらず見知らぬ男性にキスを求めていくシーンです。‌
    魂を殺されるほど被害を受けた人が、そんな行動になるのでしょうか?‌
    多くの人は、恋人と性行為をするのもためらってしまうのではないでしょうか?‌

    また、強かんされた後、主人公の女性の額に白い液体が落ちてくるのは、何を象徴するのでしょうか?‌
    私は、男性の精液だと感じて、気分が悪かったです。‌

    この映画は、何を伝えたかったかよくわかりませんでした。

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